成人期の発達障害
大人の神経発達症(発達障害)
社会適応障害と発達特性の現われ方
近年、大人になってから神経発達症(発達障害)と診断される方が増えています。
福井大学医学部精神医学教室教授 小坂 浩隆先生。
「成人期の神経発達では併存疾患を有することも多く、診断が難しいうえに、
就労や自立支援など必要とされるサポートも多岐にわたります。
一方、成人の神経発達症を診療する専門医の不足などが課題となっており、
今まで神経発達症の診断をつける経験が少なかった
一般精神科医に求められる比重が大きくなっていくと予想されます。」
当院、院長の伊藤 礼子先生も大人の発達障害専門医ではありません。
しかし併存疾患がみられる場合、それにアプローチし、
並行してカウンセリングや認知療法などを行っています。
発達障害(神経発達症)とは
発達障害は、脳の働き方の違いにより、物事のとらえかたや行動のパターンに違いがあり、
そのために日常生活に支障のある状態です。
発達障害には、知的障害、自閉スペクトラム症、ADHDや学習障害などが含まれます。
同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、他の発達障害や精神疾患を併せ持つこともあります。
発達障害の症状。
「自閉スペクトラム症」では、目を合わせない、指さしをしない、微笑みかえさない、
あとおいがみられない、ほかの子どもに関心をしめさない、言葉の発達が遅い、
こだわりが強いといった様子がみられます。思春期や青年期になると、
微妙な対人スキルを求められることも増えますし、
学習課題においても多様な能力を求められる機会が増えます。
就職してから仕事が臨機応変にこなせないことや対人関係などに悩み、
家庭生活や子育ての悩みを抱えることもあります。
「ADHD(注意欠如・多動性障害)」では、
子どもの多動性-衝動性は、落ち着きがない、座っていても手足をもじもじする、
席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、
他人の会話やゲームに割り込む、などで認められます。
不注意の症状は、学校の勉強でミスが多い、課題や遊びなどに集中し続けることができない、
話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、
課題や作業の段取りが苦手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、
忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などがあります。
大人になると、計画的に物事を進められない、そわそわとして落ち着かない、
他のことを考えてしまう、感情のコントロールが難しいなど、症状の現れ方が偏しますが、
一般に、落ち着きのなさなどの多動性-衝動性は軽減することが多いとされています。
また、不安や気分の落ち込みや気分の波などの精神的な不調を伴うこともあります。
発達障害の治療・支援
まずは専門医に相談することです。
沖縄県では、「沖縄県発達障がい者支援センターがじゅま~る」があります。
https://www.okinawa-gajyumaru.jp/
サイト内に「専門医療機関リスト」がありますので、お近くの医療機関にお問い合わせください。
大人になって、うまく対人関係が構築できない?仕事がうまくできない?
など悩み苦しんでいる方は多いかと存じます。病気や障害には併存疾患も存在します。
情報過多の時代で症状を条件に当てはめるのではなく、生活習慣はどうかな?
コミュニケーション力をつけるために何かしてきたかな?
仕事以外の活動はどうかな?趣味や習い事、生の欲望など、
いろいろな要素が絡み合って今があると考えます。
問題解決は、解決できるものとできないものがあります。
ひとりで悩まず、家族や友人、知人などに相談しそれでも難しい場合、
お近の心療内科、精神科へご相談ください。併存疾患があれば並行して治療を行い。
問題解決へ(いっしょに考える)を行いたいと思います。
参考)武田薬品工業株式会社
国立精神・神経医療研究センター
精神保健福祉士/介護福祉士/防災士
伊藤 大宜