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解離性(転換性)障害

解離性(転換性)障害

 

 解離性(あるいは転換性)障害が共有する共通の主題は、
過去の記憶、同一性と直接的感覚、および身体運動の
コントロールの間の正常な統合が部分的あるいは完全にうしなわれることである。

 

 解離性障害においては、
意識的で選択的コントロールを行う能力が、日ごとにあるいは
時間ごとにすら変化するほど損なわれていると推定できる。
ある機能の喪失がどの程度随意的コントロールのもとにあるかを
評価するのは、通常非常に困難である。

 

 解離性障害は、起源において心因性であり、
トラウマ的な出来事、解決しがたく耐えがたい問題、
あるいは障害された対人関係と時期的に密接に関連していると推定される。
したがって、耐えがたいストレスに対処する患者のやり方に関して
解釈したり仮定したりすることがしばしば可能であるが、
「無意識的な動機」や
「二次的利得(特定の行為や出来事によって、間接的に得られる利益)」のような、
何か1つの特別の理論から得られた概念は診断のためのガイドラインや
基準には含まれない。
また「転換」という言葉は、これらの障害のいくつかに広く使われており、
患者が解決できない問題と葛藤により生じた不快な感情がどのようにあれ、
その症状に置き換わることを意味する。

 

 解離状態のすべてのタイプは数週間ないし数か月後には寛解する傾向があり、
とくに発症がトラウマ的な生活上の出来事と関連しているならばそうである。
解決不能な問題や対人関係上の困難と関連しているならば、
より慢性的な状態、とくに麻痺や知覚脱失が発展することがある。
精神科的な診療を受ける以前に1~2年以上持続した解離状態は、
しばしば治療に抵抗する。

 

 解離性障害の患者は、
他人には明らかにわかる問題や困難をしばしば強く否認する。
患者が自分自身で問題を認めたとしても、すべてそれを解離症状のせいにすることもある。

 

診断ガイドライン

 

①       個々の障害、健忘や昏迷、運動および感覚、運動障害、けいれん、
知覚麻痺および感覚脱失などを特定する臨床的病像

②       症状を説明する身体的障害の根拠がないこと

③       ストレス性の出来事や問題、あるいは障害された対人関係と
時期的に明らかに関連する心理的原因の証拠(たとえ患者によって否定されても)

 

以上のように、強く疑われることはあっても、
心理的原因の確証を見出すことは難しいこともある。
中枢あるいは末梢神経系の既知の障害がある場合、
解離性障害の診断は十分に用心してくださなければならない。
心理的原因の証拠がない場合、診断は暫定的なものにとどめるべきで、
身体的および心理的な両側面の検索を続けるべきである。

 

 

ICD-10 精神および行動の障害


精神保健福祉士・介護福祉士

伊藤 大宜

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