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薬の由来~健康になる食べ方

薬の由来

 

 漢方では、四千年も前から、
主に植物を使った「生薬」を用いて薬とし、種々の病気を治してきました。

 「薬」という漢字も、「草かんむり」と「楽」よりできており、
「草(植物)を食べると楽になる」ということを表しているわけです。

 英語の「drug」(薬)も「dry herb」(乾燥したハーブ)からきています。

「草」そのもの、またはそれを改良して栽培したものが
野菜や果物であることを考えれば、
野菜や果物が薬効を持っているのは当然と言えるでしょう。

 野菜や果物といえば、ビタミンやミネラルを含有しているのが特徴で、
それらの不足からくる疾病や体調不良に対して、
野菜や果物を食べることにより、
それらを改善することができると一般的に考えられています。

 もちろんそうした面もあるのですが、そうしたビタミン、
ミネラル以外にも、植物中には種々の成分が存在しています。
「植物が生産する非栄養成分」は
ファイトケミカル(phyto=植物の、chemical=化学物質)と総称されます。

 その代表が、数年前から話題になっているポリフェノールです。
ポリフェノールとは植物の葉、茎、樹皮、花、果皮、種子に含まれ、
植物が作り出す色素や防御成分の総称です。

 ポリフェノールのうち、フラボノイドとアントシアニンは色素成分で、
フラボノイドが「黄~橙」、アントシアニンが「青~赤」の色をしています。

 また、カテキンは無色ですが、熱や酸素などが加わると、
重合して「タンニン」という苦くて渋い物質に変わり、
褐色に変色します。リンゴや桃、
バナナの皮をむくと変色するのはこのカテキンのせいで、
葉や未熟な果実を虫や小鳥などの小動物から守る働きがあります。

 ポリフェノールとは違った構造式を持つものにカロチノイドがあります。
ニンジンのカロチンやトマトのリコピンなどであり、
ファイトケミカルの一つと考えて構いません。

 最近よく耳にする、イソフラボン、ダイゼイン、サポニン、
レスベラトロール、ケルセチン、ルチン、アピン、
MMSCなども、すべてファイトケミカルと考えてよいでしょう。

 つまり、体によいと言われる、お茶、赤ワイン、ココア、ソバ、
リンゴなどの薬効成分が皆、ファイトケミカルなのです。

 植物は、生まれてから死ぬまで同じ場所にとどまり、
害虫や有毒物質、紫外線など、有害物にさらされたり、
攻撃を受けても、逃げも隠れもできません。

 そのため、体内に入ってきた有害物を解毒・除去する力が備わっているわけです。
その主役を演ずるのが、
こうしたファイトケミカルによる抗酸化(活性酸素除去)作用なのです。

 こうしたファイトケミカルは、人体に入ってきても同様に抗酸化作用を発揮し、
人体内の有毒物を解毒・排泄してくれますし、
セロリやナスに含まれるアピン、お茶の中のルチン、
キャベツに含まれるMMSCなどのフラボノイドは、白血球の働きを高め、
TNFなどのサイトカイン(白血球の生理活性物質)の分泌を高めて、
免疫力を高めることもわかっています。

 ファイトケミカルは実に3000種以上存在することがわかっており、
これこそが、四千年の歴史を持つ漢方薬や、西洋のハーブ、
日本に伝わる民間療法薬などの主成分であったわけです。

 

健康になる食べ方

 

 「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」という日本のことわざや、
エジプトのピラミッドの碑文にある
「人は食べる量の四分の一で生きている、残りの四分の三は医者が食っている」という
言葉からしても、人間、いくら薬効あらたかな食物を食べても、
食べすぎると病気になります。

 現代文明人を悩ませている、
高脂血症(脂肪、糖)、高血糖(糖)、高尿酸血症(肉類)、高血圧(塩分)、
脂肪肝(脂肪、糖)、肥満・・・・など、
すべて「食べすぎ病」と言ってよいでしょう。
ガンにしても「過食病」の一面があります。
体内にもともとなかったものが発生してきたのですから・・・・

 ネズミの実験で「毎日飽食させてかっぷくのよいネズミ」と
二日おきに断食させた痩せた貧相なネズミ」と比べると、
太ったネズミは、5.3倍ガンになりやすく、痩せたネズミは二倍長生きする、
という研究があります。
また、太ったネズミにある量の放射線をかけるとすぐに発ガンするが、
痩せたネズミにその10倍の放射線をかけても、
なかなか発ガンしない、というおまけまでついています。

 つまり、「食べすぎ」「肥満」は健康・長寿の敵ということになります。

(中略)

 

 低血糖発作という症状はありますが、
低タンパク発作や低脂肪発作という言葉(症状)がないことを見ると、
私どもが生きていく上で一番大切な栄養素は、糖分であることがわかります。
だから、朝はニンジン・リンゴジュース、
またはショウガ紅茶か両方を飲用されるとよいでしょう。

 また、日中空腹を感じたら、ショウガ紅茶を適宜飲まれるとよいでしょう。
空腹感、満腹感は、血液中の糖分(血糖)の上昇・下降が、
脳の空腹・満腹中枢を刺激して起こるのですから、
ショウガ紅茶で糖分と水分を補えば、空腹感はなくなるはずです。

 

著者 医学博士 石原結實『「医者いらず」の食べ物事典』発行所 PHP研究所



精神保健福祉士・介護福祉士
調理師

伊藤 大宜
 

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