2022.06.27死亡リスクの高い「喫煙」
近年、たばこへの理解も進み、喫煙が健康被害、
死亡リスクの高い要因の一つになっていることは、みなさんご存知かと思います。
また喫煙者のみではなく、たばこを吸っていない非喫煙者にも
影響を及ぼす「受動喫煙」も問題視され、世界的に分煙の取り組みが加速しています。
たばこには、病気の原因となる有害物質が、煙の中に約4000種類、含まれています。
「ニコチン」は、脳神経に強く作用する物質で、依存性があり、体内で発がん性物質に変化します。
「タール」には、約60種類もの発がん性物質が含まれ、肺を黒くし、血流にのって、全身にがんを誘発します。
喫煙の関連疾患の一つに、肺の病気があります。COPD(慢性閉塞性肺疾患)といいます。
これは、空気の通り道である、気道が狭くなったり、
肺の動きが悪くなり、呼吸がしにくくなる病気です。
別名「たばこ病」といわれるもので、肺がん以上に、問題になっている病気です。
「長引くセキや痰(たん)、坂道や階段を上った際に起こる息切れなどはCOPDの代表的なサイン」です。
また「受動喫煙」も問題です。
「喫煙者が吸う(主流煙)より(副流煙)のほうが、濃度が高いものがあります。」
小さいお子さんがいる家庭では心配です。子どもの肺は小学校低学年までに成長します。
この期間の「受動喫煙」は、肺機能に重大な影響を与えます。
親が(ベランダ)や(換気扇)近くで喫煙しても、髪や衣服についた煙の成分が、
室内の(カーテン)や(かべ)などに付着して、影響を及ぼします。
これを「サードハンドスモーク」といいます。
世界では「禁煙法」が広まっています。
WHO(世界保健機構)が、2005年に発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」では、
締結国に対し、受動喫煙の防止や禁煙治療の普及などを求めています。
日本では、2004年に条約の批准をし、締結国となっています。
アメリカでは、州単位の全面喫煙は、1990年代から進んでいます。
またアイルランドでは、2004年に国全体を全面禁煙とする法律が施行されています。
「禁煙」すると、その日からリスクの軽減ができます。
「禁煙後数時間で、吐く息に含まれる一酸化炭素のレベルは非喫煙者と同じになり、
24時間後には、心臓発作の危険が低下、数日で味覚や嗅覚が回復し、
1~2か月後にはセキやタンが改善されます。」
20年後には、非喫煙者と同じぐらいにまで下がります。
喫煙者には、自身の病気のリスクを軽減するため、家族の健康のために「禁煙」に取り組むことが必要です。
2022.06.27高血圧を招く、塩分摂取量。
私たちの「塩分摂取量」はかなり多く、2019年度「国民健康・栄養調査」では、
男性が10.1g、女性が9.3gとなっています。
厚生省の基準では、男性7.5g未満、女性6.5g未満とし、
WHO(世界保健機構)の基準は5.0g未満としており、
日本人の塩分摂取量は、基準値をはるかに超え高い数値になっています。
和食の味付けは「うまみ」と「塩」です。
また、わが国では(塩蔵)という食品保存法が関係していることもひとつです。
塩分が多く含まれる食品には、ご存知の(梅干し)、
ソーセージなどの加工食品、(たらこ)や(たくあん)などです。
気付きにくい食品には、(ちくわ)や(食パン)(うどん)に(スポーツドリンク)などです。
では、なぜ塩分の過剰摂取が高血圧を招くのでしょうか、
「食塩をとり過ぎると、一時的に高くなった塩分濃度を下げるために、体内に水分がため込まれます」よって、
心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増大し、血圧が上昇します。
高血圧は(自覚症状がほとんどなく)、別名「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。
その原因の一つに「動脈硬化」があります。
これは「高血圧によって、血管に負担がかかると、血管の壁が硬く、厚くなります。
血管にコレステロールが入り込んで、
かたまりができると、血流が悪くなり、血管が詰まったりして、重大な病気を起こします。」
主な重大疾患には、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞、腎不全など、
これら重大な病気は、血圧が高ければ高いほどリスクがあります。
毎日の食生活では「見えない塩分に注意」することが大切です。
先にも書きましたが、和食に含まれる塩分や加工食品など、
パッケージの(食塩相当量)を確認することが大切です。
また、外食では、例えば(にぎり寿司)1人前8貫では、しょうゆをつけると約3.3gの接種です。
ラーメンでは、スープを全部飲み干すと約6.0g、牛丼、並盛1杯で約3.8gとなっています。
では、体内から塩分を排出する食材はないか?「カリウム」をしっかり摂取することが大切です。
ただし、腎機能障害がある方はご注意ください。医師との相談が必要です。
果物や野菜、海藻などに多く含まれる「カリウム」、
食材では、バナナやホウレン草、わかめ、リンゴやアボカドなどです。
これらを、食生活にバランスよく取り入れ、体内の塩分摂取量を調整しましょう。
参考>厚生労働省、2019年度「国民健康・栄養調査」
参考>一般社団法人 日本健康生活推進協会「日本健康マスター検定」NHK出版
介護福祉士 伊藤 大宜