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森田療法とは

森田療法とは

森田療法とは、精神科医の森田正馬によって昭和初期に創設され、
その後継者である高良武久らによって発展した神経症の治療方法です。

森田療法が治療とする神経症は、不安神経症や対人恐怖症、強迫神経症などです。
これらの神経症では、患者は自分の症状による不安を取り除こうとして、
かえって症状に意識を向けてしまい、悪循環に陥っています。

また、症状のために行動が制限され、生活も萎縮していきます。

例えば不安神経症の人であれば「車に乗れない」とか「遠出ができない」など、
自分の体調に関する不安にとらわれて、
本来その人がしていた行動や生活ができなくなってしまいます。

森田療法では、症状に対する不安はそのままにして、
とりあえずその人の行動や生活を改善することから治療に入っていきます。

不安神経症の人に対しは、
不安を完全になくしてから行動するのではなく
「仕事に行かなくてはならない」「もっと積極的な生活をしたい」といった、
その人本来の現実的な欲求や向上心に沿って、
行動を変えていくようにアドバイスしサポートしていくのです。


森田療法における患者さんの症状は、
その人の過去の親子関係やトラウマによって生じているものではありません。
症状は、人間には誰にでもある不安の現われであり、
それが患者さんのいまの現実とのかかわりのなかで、
大きな位置を占めるようになってしまったものなのです。

また、神経症の患者さんは、過去の親子関係や精神外傷の無力な被害者ではなく、
いまここで、自分の生き方や生活を自己責任において選択し、実践していく存在です。


外来森田療法

神経症の患者さんには、治療する前には独特の「強迫性」が見られることです。
これは、森田療法の用語でいえば「とらわれ」に近いものですが、
治療者が話していて、この人は神経症であるとか、
とらわれていると感知できるものです。

この強迫性が、患者さんと話していて、
こちらに独特の感じを与えます。
何かに閉じこめられた者が、
そのことで落ち着かずに周囲に一種の焦燥感のようなものを発散し、
それにこちらの感覚が感応する感じです。
これは、強迫神経症の患者さんと話していると顕著に感じられますが、
よく話しこむと、不安神経症や対人恐怖症の患者さんにも感じられます。


森田療法における治療の要点は、以下の2点です。

① 症状は横に置いて、今やるべきことをやろう(行動を促す)
ということです。
不完全であってもよいから、深く考えずに、
とりあえず今目の前の課題に着手することを促します。


それと並行して促されるのが
②  自分の素直な感情に目を向けよう(感情への気づきを促す)ということです。
日々の生活をどう感じているのか“べき思考”で抑えられて
気づけないでいた素直な感情を取り戻そう、
そのような素直な感情に沿って、現在の自分を受け入れ、
周囲を受け入れていくことを促すのです。


当院では、限られた面接時間の中で、
効率よく「森田療法」を実施するために、わかりやすい資料の作成、
患者と実施者との情報の共有に取り組んでいます。

また「森田療法」と共通点が多い「認知行動療法(CBT)」の要素も含め実施しています。
森田療法学会の研修や認知療法学会の資料、出版物、
論文などを参考に日々、自己研鑽に努めています。


参考)著者 市川光洋「外来森田療法」発行所 株式会社 白揚社
         著者 高良武久「森田療法のすすめ(新版)」発行所 株式会社 白揚社

   「日本森田療法学会」https://www.jps-morita.jp/


森田療法と認知療法(CBT)を考える
精神保健福祉士 伊藤 大宜

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