「とらわれの機制」とは
森田神経質という「とらわれの機制」とは
① 1つの症状に注意が向き始めるとさらに症状への感覚が鮮明化し、
注意が固執していくという悪循環が生じます(精神交互作用)
② さらにそういった症状に対して「この症状さえなければ」と
症状を除去しようとする姿勢をもち、
さらに「こうありたい自分」と現在の自分とのギャップに悩む
葛藤をもっています(思考の矛盾)
それらの心理的特徴を示すときに「とらわれの機制」と評価しています。
感情・思考の放任を促す
① 受け入れられない感情は長く心にとどまる。
② そのような感情であっても、
放任すればすぐに流れて消えて、それと共に内なる知恵が自然に湧く。
③ 感情は同一の感覚に慣れて次第に弱くなる。
「感情や思考の自覚を促し内省を深める」とは、
自分自身の感情や思考をみつめる指導であり、
すべての感情をそのままみつめ生かすように促すことである。
改善・治療の要点は
① 症状は横に置いといて、
今やるべきことをやろう(行動を促す)ということです。
不完全であってもよいから、深く考えずに、
とりあえず今目の前の課題に着手することを促します。
② 自分の素直な感情に目を向けよう(感情への気づきを促す)ということです。
日々の生活をどう感じているのか“べき思考”で抑えられて
気づけないでいた素直な感情を取り戻そう、
そのような素直な感情に沿って、現在の自分を受け入れ、
周囲を受け入れていくことを促すのです。
精神保健福祉士・介護福祉士
森田療法家
伊藤 大宜