社会不安症とは
社会不安症とは
社会不安症/社会不安障害(SAD Social Anxiety Disorder)とは、
人に接する場面で強い不安を感じてしまい、人前に出たり、
人と接することを避けてしまう病気です。
「恥ずかしがり屋という性格なのでは?」「慣れれば平気になるのでは?」と思われがちですが、
医学的にも病気と認められていて、日常生活において困難が生じてくる不安症群/不安障害群という
精神疾患のカテゴリーの中のひとつです。
不安症群には、社会不安症の他に、パニック症、限局性恐怖症、
全般不安症、分離不安症が含まれています。
不安症とは、必要以上に、過剰な不安を感じてしまい、
「悪いことが起きる」と怯えたり、
不安を感じる行動を避けたり(回避行動)してしまう病気です。
社会不安症は、不安症の中でも、人前に出る場面、
人と接する場面などに強い不安を感じる病気です。
(患者は若い人が多い?)
発症する年齢が10代の半ばから20代前半と若いことも特徴です。
思春期は、自我の目覚めの時期です。他人の目に映る自分の姿が、
幼初期、児童期よりも重要な問題になってくるのです。
こうした時期に、対人場面でのつまづきがきっかけとなって
過剰な不安感につながることがあるのです。
また、発症年齢が若いという特徴から、社会不安が自分の性格、
欠点などとして片付けられてしまい、
治療することが可能な心の病気であることが数年以上にわたって
見過ごされてしまうことが多いのです。
また、社会不安症は若い人だけが発症するわけでなく、
成人になってから発症する場合もあります。
社会不安症の人は、
ほかの精神疾患(うつ病、その他の不安症、アルコール依存など)を
合併することも多いのです。
放置せず、積極的に対処しなくてはなりません。
(社会不安で生じる不安・恐怖の例)
対人不安-人に対することの不安
赤面恐怖-人前で顔が赤くなるのがコワい
視線恐怖-人に見られているという視線がコワい
書痙-人前で字を書こうとすると手がふるえる
振戦恐怖-対人場面で自分の手や体がふるえる、またふるえているのを知られるのがコワい
(社会不安症の原因)
社会不安症を発症してしまう原因ははっきりわかっていません。
遺伝と環境が複合的に影響していると考えられています。
社会不安症につながる脳の機能異常としては、外部刺激に対して、
不安や恐怖を発現する偏桃体が過剰に活性化していることがわかってきています。
また、抗うつ薬が有効であることから、
脳内でセロトニンという神経伝達物質が減少している可能性が推測されています。
(治療について)
社交不安障害は、薬物療法と精神療法によって治療されます。
すなわち、薬物療法としては、抗不安薬などの使用が検討されます。
精神療法としては、認知行動療法が主に選択されます。
医師や専門家などとの対話を通して、
不安や緊張の生じやすい場面を知ることや、
負の感情が生じた際の対象方法を身につけることで、
日常生活を円滑に送ることができるようにすすめていきます。
大勢の前で緊張するのは、多くの方が感じる感情です。
しかし、日常生活に支障が生じるほどの状況では、
治療を考慮することも大切です。
面接ではあくまでも患者の訴えに沿って進められます。
その点は、一般的な面接と変わりません。
わたしが行う(森田療法的アプローチ)では、
その不安の内容そのものや不安の原因を探ることよりも、
その不安に対する患者の態度に焦点を当てていくことが
森田療法的面接の特徴です。
これを、「不安態度の吟味」といいます。
その不安にどうつきあっているのかを確かめ、
どうつきあっていったらよいかを相談することが面接の中心となります。
不安に対する態度を問題とする意図は、その中に患者のあり方が反映されており、
解決の糸口も含まれていると考えるからです。
参考)自分で治す「社会不安症」著者 清水栄司
HP メディカルノート
森田療法 著者 北西憲二/中村 敬
森田療法家 精神保健福祉士/介護福祉士/防災士
伊藤 大宜