Tips

クリニックの話

クリニックの話Tips

人間は基本的に「自己中」である!

人間は基本的に「自己中」

 

 人間は基本的に自己中です!
それはわれわれの存在が個体であり、
自己保存にこだわるからです。
人間は個体で存在するがゆえに、
痛みを他人に代わってもらうことはできません。
痛みに限らず、生きている上で、
他者と感情や生理を共有することは9分9厘不可能です。
喜びも悲しみも、痛みも恨みも共有できません。


 たとえ、相思相愛で愛し合っても、
個体の壁を乗り越えて相手を理解することは難しいでしょう。
それゆえ、「共感する」とは、例外的に感受性の
豊かな人の能力です。他者の痛みが分かるのは、
他者の状況を我が身に置き換えることができる能力を
授けられた希有の人々が感じ得る奇跡的な現象です。
われわれの存在は、個体という人間存在の本質によって
切り離されているからです。
むしろ、「人の痛みなら、3年でも辛抱できる」(*)
という日本のことわざの方が人間の特徴をついています。


 この事実に最初に気づいて応用したのは、
おそらくD・カーネギーの「人を動かす」だったでしょう。
(中略)カーネギーこそは人間の自己中であることを
徹底して見抜いた心理学者です。

 

 彼の助言の核心は、
「人間は自分にもっと関心がある」ということです。
それゆえ、人間関係の原理は、「相手の関心に関心を寄せる」
ことであると喝破しています。
「相手の関心に関心を寄せる」とは、具体的に、
「名前を呼ぶ」、「話を聞く」、「議論しない」、
「手柄を譲る」、「褒める」、「命令しない」、
「相手が間違っていると決して言わない」などです。
もちろん、「相手を好きだというサイン」の「笑顔」は
もっとも大事であると言っています。
(中略)


 人間は個体性の故に、
「自分がそうありたいと思っている自分」を他者に
肯定してもらうというフィードバックが必要になります。
精神の安定のためには、それぞれの個体を超えて、
他者も同じように感じてくれることを確認したいからです。
心理学のいう「社会的承認」の必要です。
同類の仲間が大事なのは、仲間は同類のゆえに、
自分と似たような言動で、自分を認めてくれる
可能性が高いからです。こちらは「同調行動」と呼ばれています。

 

*「人の痛みなら、3年でも辛抱できる」とは

  このことわざは、
他人の苦しみは、たとえそれが長く続いたとしても、
自分にはそれほど大きな痛みとして感じられないという
人間の心理を表しています。

 

参考)

三浦清一郎『差別のない世の中へ』発行所 株式会社 日本地域社会研究所


精神保健福祉士・介護福祉士

伊藤 大宜

アーカイブ

・生きることが苦しいのは、執着がありすぎるから

・睡眠障害

・心・この決められないもの~森田理論

・認知

・思想の矛盾~森田理論

・心に準備なし~森田理論

・抑うつ状態とは

・運動と精神的健康の関連について

・腸内環境を整える!

・自己意識の問題~森田理論

・森田療法的 全治の三原則

・心の健康の鍵は「自律神経」

・対象喪失とは

・虚妄分別とは

・ヒポコンドリー性基調説とは~森田理論

・連合弛緩~統合失調症

・いわゆる「精神交互作用」―不安な注意と病感の悪循環 ~森田理論

・養生訓~貝原益軒

・カウンセリングとは

・糖尿病の脅威と要因

・不安・緊張・悩みの瞬間的解決~森田理論

・腸内環境を整えることの効果とは?

・心をどう扱えばよいか~森田理論

・森田療法全治の論理とは

・異常と正常

・ストレス反応

・疾病恐怖はこうして克服する~森田療法

・落ち込んだときは、自分を肯定する言葉を投下する!

・「私は正しい」と思うから怒る

・リフレーミングとは

・依存症~依存症問題維持連鎖

・2024年度 労働基準法の変更点!

・社会的承認

・人間は基本的に「自己中」である!

・健康管理~食事編

・不安・劣等感・罪悪感~ユング派心理学から

・漢方薬は、「自覚症状の改善」

・「思考奪取」~統合失調症

・「言葉のサラダ」~統合失調症

・統合失調症 急性期~慢性期

・夢をあきらめるな!~沖縄の空飛ぶ男

・中性脂肪とは

・非認知能力とは

・社会手続き

・国民皆保険制度について

・整形外科患者における精神医学的問題を知るための簡易問診票

・マズローの欲求五段階説

・メランコリー親和型について

・自己愛性パーソナリティー障害

・存在の承認

・精神科医で診断名は変わる

・脳の偏桃体のはなし

・精神障害と仕事

・統合失調症と認知行動療法について

・高齢者への薬物投与の問題

・精神病薬の服薬管理の重要性

・認知再構成法とは

・少年の反社会性

・パーソナリティーと健康

・ステレオタイプとは

・社会的学習

・人と動物のかかわり

・自尊感情とは?

・さまざまなトラブルについて

・失策行為とは

・対人認知とは

・印象形成とは

・家族システム理論~臨床心理学から考える。

・主体性とは

・精神療法とは

・高次脳機能障害とは

・向精神薬とアルコール

・全治と完治の違い?

・統合失調症②

・バイアスとは?

・モラル・ハラスメントとセクシャル・ハラスメント

・脆弱性-ストレスモデルとは

・統合失調症①

・トラウマ性解離とは

・マイナンバーカード

・エンパワーメントとは

・抽象言語理解とは

・注意欠陥多動症とは

・過敏性腸症候群とは

・レム睡眠とノンレム睡眠について

・知覚統合とは

・内観療法とは

・リカバリーについて

・自己同一性とは

・リボーの法則!記憶とは?

・思春期における精神保健

・妊娠中の抗不安薬・睡眠薬について

・さまざまな依存症

・喫煙のリスク!

・神経質症「症状を軽視する」~森田理論

・異常がなくても苦痛を感じることがある。~森田理論

・「とらわれの機制」とは

・パーソナリティ障害

・ストレスチェックが、50人以下の企業にも義務化!

・他律から「合律」という考え

・耐性 「行動耐性」と「欲求不満耐性」

・「読む、書く、体操、ボランティア」~隠居文化と戦え!三浦 清一郎

・筋トレと栄養

・廃用症候群とは

・コルチゾールとは?

・大うつ病とは

・広場恐怖症とは

・被害者・被災者のこころの問題

・人間の存在を恐怖と欲望から理解する~森田理論

・「感情の法則」~森田理論

・自閉スペクトラム症(ASD)とは?

・高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)とは

・「転換性障害」や「解離性障害」といわれるもの

・森田理論から考える~「性格は変わり得る」

・神経症者の性格~森田理論

・自覚の大切さ~森田理論~

・中2病とは

・「行動の原則」~森田療法~

・不安とはいったいなんだろう?森田理論

・不安神経症「心臓神経症」

・不安はなぜ起こるのか?

・統合失調症 発症年齢

・深層心理

・統合失調症の早期発見早期治療

・スキーマとは

・過呼吸発作の対処法

・ストレスチェック

・適応障害とは

・共感障害

・片頭痛

・フレイルとは

・脳腸相関

・アルコール依存症

・ADHD注意欠陥多動性障害

・夫源病

・マズローの欲求5段階説

・解離性健忘

・スティグマ感

・愛着障害

・社会不安症とは

・重要なはなしを3つ

・成人期の発達障害

・換気や手洗い 健康習慣に

・事実唯真

・お酒「適量ありません」カナダで新指針

・「好きなこと我慢せずに」

・毎日の温泉入浴でうつ病リスク低下

・森田療法とは

・補聴器の使用がお勧め

・死亡リスクの高い「喫煙」

・高血圧を招く、塩分摂取量。

・統合失調症とは

・更年期障害とは

・パニック障害とは

・「ギャンブル依存症」について

・「健康と睡眠」

・うつ病の治療

・いじめ

・児童虐待

・ADHD

・老化に伴う身体の変化

・体を動かす時間を10分増やす

診療案内Information

要予約 クリニック予約専用ダイヤル、こころの相談・専用ダイヤル

※2020年11月1日から午後の診療時間は14:00~17:00に変更となりますのでご注意ください。

外来受付時間
9:00~12:00 × ×
14:00~17:00 × × ×
所在地
〒904-0324 沖縄県中頭郡読谷村長浜1275-1 1F
休診日
水曜日、木曜日、日曜日(午後)、祝日