トラウマ性解離とは
トラウマ性解離は、
強い精神的なショックやストレス(トラウマ)によって、
自分自身や周囲の現実から意識的に「切り離される」ような
状態を指します。
これは、心身に大きな負担がかかったときに、
自分を守るための無意識的な反応の一つと考えられています。
主な症状
- 記憶の断片化: トラウマに関連する記憶が曖昧になったり、全く思い出せなくなったりします。
- 現実感がなくなる: 周りの世界が不自然に感じられたり、自分が夢を見ているように感じたりすることがあります。
- 自分自身から離れる感覚: 自分の体が自分のものではないように感じたり、鏡に映った自分が自分ではないように感じたりすることがあります。
- 人格の変化: 普段とは異なる人格が現れたり、過去の出来事を思い出せなくなったりすることがあります。
- 感覚の麻痺: 痛みを感じなくなったり、体が動かなくなったりすることがあります。
原因
- 小児期の虐待: 性的な虐待、身体的な虐待、ネグレクトなどが挙げられます。
- 自然災害: 大地震、津波、台風などが挙げられます。
- 事故: 交通事故、火災などが挙げられます。
- 戦争: 戦争体験、テロなどが挙げられます。
治療
トラウマ性解離の治療には、
心理療法が中心となります。
具体的には、以下のものが挙げられます。
- 認知行動療法: 歪んだ認知を修正し、より現実的な思考に変えていく方法です。
- 対人関係療法: 他者との関係性を改善し、社会的なサポートを得ることを目指す方法です。
その他
- 薬物療法: 不安や抑うつなどの症状に対して、抗不安薬や抗うつ薬が用いられることがあります。
- グループセラピー: 同じような経験をした人たちと交流し、お互いを支え合うことで回復を促す方法です。
注意点
- トラウマ性解離は、決して本人のせいではありません。
- 症状は人によって異なり、軽度から重度まで様々です。
- 早期に治療を開始することで、症状の改善が期待できます。