恐怖症性不安障害
恐怖症性不安障害
これらの障害では通常危険でない、(患者の外部の)ある
明確な状況あるいは対象によってのみ、
あるいは主としてそれによって不安が誘発される。
その結果、これらの状況あるいは対象は特徴的な仕方で回避される。
恐怖症性不安は他の形の不安から主観的にも、
生理的にも、そして行動的にも区別することはできず、
軽い落着きのなさから著しい恐怖まで重症度はさまざまである。
患者の関心は、動悸あるいはめまいのような個々の症状に集中することもあり、
しばしば、死ぬこと、自制を失うこと、
あるいは気が狂ってしまうことへの二次的な恐怖を関連している。
他の人びとが問題となっている状況を危険とも
脅威ともみなさないことを知っても、
その不安は軽減しない。
恐怖症を生じる状況に入ることを考えただけでも通常、予期不安を生じる。
恐怖症の対象あるいは状況が患者にとって外部のもので
あるという基準の採用は、疾病(疾病恐怖)と醜形(醜形恐怖)の
存在に関連した恐怖の多くが「心気障害」に分類されることを意味する。
しかしながら、疾患に対する恐怖が、感染や汚染にさらされる可能性によって、
主としてかつ反復して生じるか、
あるいは恐怖が単に医学的処置(注射、手術など)か
医療施設(歯科医院、病院など)に対するものならば、
この障害が適切あろう。
恐怖症性不安はしばしば抑うつと合併する。
恐怖症性不安がすでに存在する場合は、
ほとんど常にうつ病エピソードの併発中さらに憎悪する。
ある種のうつ病エピソードは、
一過性の恐怖症性不安を伴っており、
抑うつ気分はしばしばある種の恐怖、とくに広場恐怖を伴っている。
社会恐怖以外の大部分の恐怖症性障害は、男性におけるよりも女性でより多くみられる。
ICD-10 精神および行動の障害
精神保健福祉士・介護福祉士
伊藤 大宜