「思考奪取」~統合失調症
思考奪取について
統合失調症の症状の一つである
「思考奪取」について
思考奪取とは?
思考奪取とは、
自分の考えが外部の何者かに奪われているという
感覚を伴う妄想のことです。
まるで、自分の頭の中にある考えが、
誰かに抜き取られてしまうような、
あるいは、外部から操作されているような感覚を体験します。
具体的には、以下のような体験をすることがあります。
- 自分の考えが消えてしまう: 考えていたことが、突然頭の中から消えてしまう。
- 考えが他人によって操作されている: 自分の考えが、外部から意図的に操作されているように感じる。
- 思考が途切れる: 思考の流れが途絶え、考えを続けることが難しい。
思考奪取が起こる原因
思考奪取の具体的な原因は、
まだ解明されていませんが、
脳の神経回路の異常が関与していると考えられています。
脳の特定の部位の機能に異常が生じることで、
自己と外部の区別が曖昧になり、
このような妄想が生じると考えられています。
思考奪取が引き起こす影響
思考奪取は、患者さんの生活に大きな影響を与えます。
- 不安感: 自分の考えが常に外部に漏れているのではないかという不安に苛まれる。
- 孤立感: 周囲の人から理解されず、孤立感を深める。
- 不信感: 他人を信用できなくなり、人間関係が困難になる。
思考奪取に対する対処法
思考奪取に対する対処法は、
患者さんの状態や症状の程度によって異なりますが、
一般的には以下のことが重要です。
- 薬物療法: 抗精神病薬などの薬物療法によって、妄想の症状を改善する。
- 精神療法: 認知行動療法など、精神療法によって、妄想に対する考え方や行動を修正する。
- 社会復帰支援: 職業訓練や社会生活への復帰支援など、社会生活への適応を促す。
まとめ
思考奪取は、
統合失調症の患者さんが経験する苦しい
症状の一つです。しかし、適切な治療を受けることで、
症状をコントロールし、より良い生活を送ることが可能です。
関連する情報:
- 厚生労働省 ストレスとこころ:
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_03.html
精神保健福祉士・介護福祉士
伊藤 大宜