リカバリーについて
医療におけるリカバリーについて
医療におけるリカバリーとは、
病気や障害を抱える人が、単に症状を改善するだけでなく、
自分らしい生活を取り戻し、社会参加を積極的に行っていく過程を指します。
リカバリーの3つの側面
リカバリーは、大きく分けて以下の3つの側面があります。
- パーソナル・リカバリー:
- 個人が、病気や障害を抱えながらも、自分の人生を主体的に生き、希望を持って未来を築いていく過程です。
- 個人の価値観や目標に基づいた回復を重視します。
- ソーシャル・リカバリー:
- 社会の中で、人とのつながりを深め、役割を果たしながら生活していく過程です。
- 就労、ボランティア、地域活動など、社会参加を促進します。
- 臨床的リカバリー:
- 病気の症状の改善や機能回復を目標とした、従来の医療的な回復です。
- 薬物療法、心理療法など、専門的な治療によって症状をコントロールします。
リカバリーが重視される背景
近年、医療の分野では、単に病気を治すだけでなく、
患者が主体的に治療に関わり、
より良い生活を送れるようにすることが重要視されています。
リカバリーは、このような考え方に基づいた新しい概念です。
リカバリーを支えるもの
リカバリーを実現するためには、以下の要素が重要です。
- 患者中心の医療: 患者の意見や希望を尊重し、患者自身が治療計画に関わること
- 多職種連携: 医師、看護師、薬剤師、心理士など、様々な専門家が連携して患者を支援すること
- 地域社会の支援: 地域住民やボランティアが、患者の社会復帰を支援すること
- 自己効力感の向上: 患者自身が、自分の力で生活を改善できるという自信を持つこと
リカバリーのメリット
リカバリーは、患者だけでなく、医療者や社会全体にも様々なメリットをもたらします。
- 患者のQOL(生活の質)の向上: 患者がより充実した生活を送ることができるようになります。
- 医療費の削減: 再入院の減少など、医療費の削減につながる可能性があります。
- 社会全体の活性化: 患者の社会参加が促進され、社会全体の活力が向上します。
まとめ
医療におけるリカバリーは、単なる病気の治療を超え、
患者が自分らしい人生を歩んでいくための包括的な支援です。
患者中心の医療や多職種連携など、様々な取り組みが求められています。
生活者と人生のリカバリー(回復)ー挑戦者の経験の強さが大切〈7つの心の回復力〉
- 問題に気づき、考え、誠実な答えを出す習慣「洞察」
- 家族との間に情緒的や身体的な距離を置く「独立性」
- 他者との間に親密で充足的な絆をもつ「関係性」
- 問題に立ち向かい、自分を強化し試しコントロールする「主導性」
- 秩序、美しさ、目的をもつ「創造性」
- おかしさを見出す「ユーモア」
- よい人生を送りたいという希望を人々に広げる良識「モラル」
著者 ウォーリン / 訳 奥野 光・小森康永 『サバイバーと心の回復力』出版社 金剛出版 2002年
精神保健福祉士・介護福祉士
伊藤 大宜