高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)とは
高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)とは
自閉症スペクトラム障害(自閉症スペクトラム症)の一種で、
知的発達に遅れがなく、一見すると普通の人と変わらないように
見える場合が多いのが特徴です。
1.高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)の特徴
① 対人関係の困難さ
友達との付き合い方や、相手の気持ちを理解することが苦手です。
② コミュニケーションの特性
話し方が独特だったり、会話のキャッチボールが難しかったりします。
③ 限定された興味やこだわ
特定のものごとに対して強い興味を示し、それ以外のことに関心が薄かったりします。
④ 感覚過敏や鈍感
音や光、触覚などに過敏に反応したり、逆に鈍感だったりすることがあります。
⑤ 変化を嫌う
いつも通りのルーティンを好む傾向があり、変化に戸惑うことがあります。
2.高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)とアスペルガー症候群
以前は、「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」は別の診断名でしたが、
DSM-5(精神疾患の診断と統計マニュアル第5版)では、
どちらも「自閉スペクトラム症」として統合されました。
そのため、現在では「高機能自閉症」という診断名は使用されませんが、
一般的には「高機能自閉症」という言葉の方が知られているため、
この言葉が使われることもあります。
3.高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)の支援
高機能自閉症の方への支援は、個々の特性に合わせて行うことが重要です。
① コミュニケーション支
AAC(代替・補完コミュニケーション)の利用、SST(ソーシャルスキルトレーニング)など
② 感覚統合療法
感覚過敏や鈍感に対応するための療法
③ 心理療法
悩みや不安に対応するための心理療法
④ 環境調整
生活環境や学習環境を調整することで、より快適に過ごせるようにする。
4.高機能自閉症(自閉症スペクトラム症)に関する注意点
① 個人差が大きい
高機能自閉症といっても、一人ひとりの症状や特性は大きく異なります。
② 周囲の理解が大切
高機能自閉症の方の特性を理解し、適切な支援を行うことが大切です。
③ 早期発見・早期支援
早期に診断を受けることで、適切な支援を受けることができます。
まとめ
高機能自閉症は、一見すると普通の人と変わらないように見えるかもしれませんが、
対人関係やコミュニケーションに困難を抱えている場合があります。
周囲の理解と適切な支援によって、高機能自閉症の方たちも、
より豊かな生活を送ることができます。
*文部科学省では、高機能自閉症を以下のように定義しています。
高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、
①他人との社会的関係の形成の困難さ
②言葉の発達の遅れ
③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
引用 学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について:文部科学省
精神保健福祉士・介護福祉士
伊藤 大宜