自己愛性パーソナリティー障害
自己愛性パーソナリティー障害について
自己愛性パーソナリティー障害とは、
過大な自尊心や他者からの賞賛への強い欲求、
そして共感性の欠如といった特徴を持つ
パーソナリティ障害の一種です。
簡単に言うと、自分は特別で優れていると過剰に
思い込み、他者から認められたいという気持ちが
非常に強い状態です。
一方で、他人の気持ちや状況を理解することが難しく、
共感することが苦手という特徴も持っています。
自己愛性パーソナリティー障害の特徴
- 誇大な自己評価: 自分の能力や才能を過大評価し、現実と乖離した自己イメージを持っています。
- 賞賛への渇望: 他者から絶えず賞賛されたいという強い欲求があり、それが満たされない場合、不満や怒りを感じることがあります。
- 共感性の欠如: 他人の気持ちや状況を理解することが難しく、共感することが苦手です。
- 操縦的な行動: 他人を自分の思い通りに操ろうとする傾向があり、人間関係でトラブルを起こしやすいことがあります。
- 嫉妬心: 他人の成功を妬み、自分の方が優れていると信じ込もうとする傾向があります。
自己愛性パーソナリティー障害の原因
自己愛性パーソナリティー障害の原因は、
まだ完全に解明されていませんが、
以下の要因が考えられています。
- 遺伝的な要因: 家族内にパーソナリティ障害を持つ人がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。
- 発達期の経験: 過度な賞賛や批判、虐待などの幼少期の経験が、自己愛性パーソナリティー障害の発症に影響を与える可能性があります。
- 神経生物学的な要因: 脳の特定の部位の機能に異常がある可能性が指摘されています。
自己愛性パーソナリティー障害の影響
自己愛性パーソナリティー障害を持つ人は、
人間関係で困難を抱えやすく、
仕事や恋愛にも悪影響を及ぼすことがあります。
また、うつ病や不安障害などの他の精神疾患を
併発することもあります。
自己愛性パーソナリティー障害の治療
自己愛性パーソナリティー障害の治療は、
精神療法が中心となります。
認知行動療法や精神動態療法などが効果的と
されています。
また、薬物療法を併用する場合もあります。
最後に
自己愛性パーソナリティー障害は、
本人が自覚しにくい場合も多く、
治療を拒否することもあります。
もし、ご自身が、あるいは身近な人が
自己愛性パーソナリティー障害に悩んでいると
感じたら、専門家への相談をおすすめします。
精神保健福祉士・介護福祉士
伊藤 大宜